=タス通信撮影
改正案の内容
天然資源・環境省は、外国人投資家が参加している地下資源活用企業に対し、その企業が金、ダイヤモンド、プラチナ群金属の「戦略的重要性をもつ鉱山」を発見した場合、その開発を許可するという、「地下資源」法の改正法案を作成した。
改正法案に付された解説によると、現行法では、「外国人」が「戦略的重要性をもつ鉱山」を試掘して、「国防および国家安全が脅かされる場合」、ロシア政府が掘削を禁止できる、と定められている。
しかし、改正法案では、金、ダイヤモンド、プラチナ群金属の鉱区については、この規定を適用しないとしている。
「簡単に発見、開発できる鉱山は、もはやほぼゼロ」
変更の理由について、天然資源・環境省は、投資家がロシアの地質調査そのものへの投資に経済的関心を抱いていないため、結果的に、「多額の投資資金が、より投資に魅力的な法律がある外国に流れてしまう」ためと説明している。
また同省は、簡単に発見できる鉱山はもうほとんどなくなっているのに、事実上、貴金属の鉱山の開発にストップをかけている現状が、さらに投資離れにつながっていることにも言及した。
しかしながら、この問題が論議されたのは、今年が最初ではない。
もっと外国投資を!
ロシアの金鉱会社「ポリメタル」のビタリー・ネシス社長は、2010年のMinexフォーラムの席で、ロシアの金生産者には新しい鉱山を発見するための資金が十分ではないのに、現行法は外国企業の参入を阻害していると、すでに発言していた。
またネシス社長は、この状況を打開するための提案を、政府に文書で送った。その中で、投資家に次の権利を保障することを提案した。①投資家は、地質調査ライセンス(実施許諾)を掘削ライセンスに代える権利をもつ、②投資家自身が資源区のライセンシングを与える権利をもつ。
ネシス社長はまた、「戦略的重要性をもつ鉱山」のレベルを、金の場合、50トンから250トンに上げることなども提案していた。
2年近く経って、天然資源・環境省も同様の修正法案を提出した。
外国企業は歓迎
ロシアで活動する外国の金採掘業者は、この決定を歓迎している。地質調査を行う場所に対する企業の権利を保障するための措置は、いかなるものであれ、この分野の発展と、新鉱山の開発につながり、それによって新たな投資を呼び込み、雇用を増やすことができるとしている。
世界の大手企業の実績を見れば、発見された鉱山を思い通りにできることは、地下資源活用企業にとって必要不可欠な権利であると、在ロシアのカナダ系企業「キンロス」(Kinross)代表のルー・ナウモフスキー氏は言う。
同氏は、このような対策がとられれば、ロシアに新たな投資家を呼び込める一方で、ロシアの法律に不安を感じ投資をためらった外国の地質調査企業を、ロシアに呼び戻すこともできると述べる。
*記事完全版(ロシア語のみ)
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