大きさ、豊かさ、共産主義!

ニヤズ・カリム

ニヤズ・カリム

五輪で自国の活躍を見たいなら、独裁者を国のトップに立てることが一番だ。五輪のスローガン「速く、高く、強く!」は、選手に向けたものであり、その選手を育てる国に向けたものではない。国にはもっと効果的なスローガンがある。「大きさ、豊かさ、共産主義!」だ。

経済学者のアンドリュー・バーナードやダニエル・ジョンソンは、国際的なスポーツ競技大会で一定の国が活躍できて、他がそうではない理由を研究し、その結果、複数の政治的要因と経済的要因が、五輪での成果に影響していることがわかった。両経済学者は、同じ問題についてそれぞれ個別に研究を進め、結論がほぼ合致したのだから、その結論は信頼に値する。

スポーツの成功の主要な要因は、国家の大きさと豊かさだ。人口が多ければ才能ある選手がより多く現れるし、資金が豊富なら、コーチや選手に高い給与を支払うことができ、必要な設備も購入できる。より人口が多くて、GDPの高い国が、スポーツ界で強国となっている。それをふまえれば、アメリカが何十年もスポーツで世界のトップに君臨し続けていることは、納得がいく。

貧しい国は全体主義    

国がさほど大きくなく、豊かでもない場合、いかにしてスポーツを強くできるのだろうか。共産政権にするか、他の全体主義的な形態の政権にするという方法がある。独裁国家だと、その国の選手はスポーツ大会でより活躍するということが証明されている。無限の権力を使える国家は、簡単かつ素早く、必要なところに資金を配分できるのだ。独裁者は活躍した選手に住居を与えたりできるし、それによってモチベーションも上げられる。また不要な種目を犠牲にして、特定の種目を集中的に発展させることもできる。

どこの独裁国家も、同規模の民主主義国家より、大会で大きな成功を収めている。ロンドン五輪でメダル獲得数が2位になるのは、中国だと誰もが予測している。ソ連がスポーツ強国であったことはまだ記憶に新しい。キューバも顕著な例で、ブラジルの2倍のメダルを獲得している。キューバの人口は圧倒的に少ないし、財政規模もこの2国は到底比較にならない。

管理・運営にも好都合 

自国が活躍するための最後の方法は、五輪の自国開催だ。開催国が、地の利で大活躍をするというのは、一般的だ。

独裁国家は通常、国際的な大きなスポーツ大会の組織においても、民主主義国家より優れている。今回のロンドン五輪に合わせて、イギリスの空港や入管の職員、地下鉄の運転手など、交通機関の関係者は大規模なストライキを予定している。このような事態は、中国、サウジアラビア、カタールなどでは想像できない。

エクスペルト誌の記事の抄訳