有名な「キッチン討論」=AP撮影
キッチン討論
1959年の今日、アメリカの副大統領リチャード・ニクソンが、「アメリカ産業博覧会」の開会式に出席するために初めてモスクワを訪れた。その際、ソ連の指導者ニキータ・フルシチョフ第一書記との間で、有名な「キッチン討論」が起こった。
博覧会は、モスクワ北東の広大なソコーリニキ公園で行われ、二人は、様々な展示場で話し合ったが、とくに、アメリカ製のキッチンのモデル会場で盛り上がった。
二人の指導者は、資本主義と共産主義の優越性をめぐって激論を戦わした。
ニクソンは、皿洗い機、芝刈り機、様々な食料品が溢れるスーパーマーケット、キャデラック、化粧品、ハイヒール、ペプシコーラ等々の成果を挙げたが、とくに強調したのはキッチンと台所用品で、それが討論の名の由来にもなっている。
討論は、アメリカが世界に先駆けて開発したビデオカメラに収められ、ニクソンはこれも米国資本主義の成果の一つに挙げた。
一方、フルシチョフは、ソ連の産業は贅沢品ではなく、実際に重要な製品を作っているのだと反論し、日用品の技術の氾濫をこう皮肉った。
「アメリカには、食べ物を口に入れてくれて、それから咽喉の奥に押し込んでくれるような機械はないんですかね?」
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