極北の旅が熱い!

=Lori Legion Media撮影

=Lori Legion Media撮影

ロシアの北端が、旅行先として急速に人気を集めている。半分以上が北極圏に属するヤマロ・ネネツ自治管区だけを見ても、ロシア国内をはじめ、世界中から旅行者が訪れ、その数は2年で約3万人増え、倍以上になっている。

ペットのトナカイ

先住民族であるネネツ人の伝統的なチウム(円すい型移動式住居)では、冷凍魚を薄く削ったストロガニーナや、おいしそうなトナカイの肉の昼食がふるまわれ、お茶は客人がティーカップを受け皿の上に逆さに置くまで、何杯でも注がれる。

そこにペットのトナカイがいる場合は、「普通」のトナカイとは違って人懐こいため、客人に近づいて匂いをかいだり、差しだすパンを食べたりし、なでても嫌がらない。「普通」のトナカイとは、放牧主一人に平均数千頭ほどいる、野生のように放牧された家畜で、果てしなく続くツンドラを走る姿を遠くから眺めることしかできない。

多様な自然とレジャー

冒険好きで活発な旅行者にとって、このような世界はエキゾチックではなく、普通の旅行プログラムだ。ヤマロ・ネネツ自治管区では、登山、徒歩旅行、川下り、スキー旅行などが企画され、急速にレジャーや施設が増え続けている。

ため息の出るような自然、ツンドラ、魚釣り、考古学的発見、北方民族の伝統や文化などのさまざまな魅力があり、また登山家は、極北ウラル山岳地帯を、より困難でワクワクするような場所と考えているのだから、この人気も当然かもしれない。観光コースも60種類ほど用意され、異なる趣向に合うし、リピーターを飽きさせない。

観光コースは60種類

ネネツ人やトナカイ飼育者などの伝統と触れ合える季節ごとのコースや、普段味わうことのできない民族料理(トナカイの肉入りスープ、コケモモ、ホロムイイチゴ…)、またトゥインジャン投げ(トナカイ捕獲の輪投げ)、ソリ飛び越え、オノ投げなどの民族スポーツを体験できるコースもあり、ここに来る旅行者の多くが民族文化のプログラムが含まれたコースを選ぶ。

ヤマロ・ネネツ自治管区は、ネネツ人、ハントゥイ人、セリクープ人などの北方先住民族が暮らしてきた土地で、これらの民族は現在、人口の7%にすぎない。放牧されているトナカイの数が70万頭以上と、ロシアで最も多い。先住民族にとってトナカイとは、食料、服、交通手段など、生活のすべてで、ネネツ語のトナカイは「生活を与える動物」を意味する。

北極圏ブランド

北極圏という場所がここのブランドで、世界中の旅行者が「世界の果て」(地名のヤマロまたはヤマルはネネツ語で「世界の果て」の意)にロマンを感じてやって来る。同管区の行政中心地であるサレハルド市も、北極圏に位置し、それを実証する証明書まである。

北極圏は、北緯66度33分以北で、冬は太陽が昇らず、夏は太陽が沈まない白夜となる。

北極圏観光の需要は今後も成長分野となる可能性があり、観光が地域経済活性化の骨幹になり得ることが、ここ近年見えてきた。少なくとも、ここを訪れた旅行者は、他ではなかなか味わえない雰囲気を体感し、強い印象を受けているし、インフラ整備も活発になってきているから、より参加しやすくなっている。ここの観光分野に携わっている人はすでに1万1000人以上もいるし、コースやホテルを探すのに苦労することはない。