第1回「エコ・ファッション・ウィーク」のモデル達 =エレナ・ポチェトワ撮影
第1回「エコ・ファッション・ウィーク」開催!
第1回「エコ・ファッション・ウィーク」が、6月中旬にモスクワ大学植物園「薬草園」で開催された。ここで開かれたのは象徴的だ。なぜなら、植物園は、ピョートル1世が薬草の栽培を行うために開設したからだ。
「エコ・ファッション・ウィーク」は、見本市という形で、洋服の裁縫や「ブレイズ&ビーズ」のヘアスタイルの教室、緑茶の鑑定会、「グリーン」デザイナーのファッション・ショーなどが企画される。エコ・ファッションは、「リユース(再使用)、リデュース(ゴミを減らす)、リサイクル(再資源化)」のコンセプトのもと、天然素材で作られていることが特徴で、エスニック・スタイルなども見られる。
エコ意識を根付かせるのが目的
この構想は昨年11月、ロシアのエコ活動団体「EKA」が他のパートナーたちと共同で、エコ・ファッション・ウィークエンド「グリーンにしよう!」を開催し、好評を博した際に生まれたものだ。今回の新イベントは、ロシアにエコ意識を根付かせることを目的にしている。その主催者の一つである「EKA」は、2010年に創設され、わずか2年あまりの活動で、45の地域に広がった。「EKA」のボランティアは毎年、国中に苗木数百万本を植樹している。
今回のイベントを指揮している「EKA」の代表、マリーナ・ココリナさんはこう言う。
「『エコ・ファッション・ウィーク』を一つのブランドとして、毎年大規模に開催し、発展させようと考えています。第1回目が終わったら、来年の開催までにセミナー、会議、研究会、ミニ・ファッション・ショーなどを続々と行っていく予定です」。
=エレナ・ポチェトワ撮影
多様なコレクション
来場者は、見本市で販売されている手芸装飾品、様々なガラス細工、オートクチュールを含むエコ・シューズやエコ・ウェアなどを購入していた。デザイナーのエカテリーナ・シチューキナさんは、ファー(毛皮)のコレクションを披露した。実はフェルト製だが、極細で、動物の毛皮に似せてある。羊毛フェルトは最古の不織布の製作法だ。シチューキナさんは、いかなる技術的加工も施されていない、無染色で粗毛の羊毛を使用している。エコ毛皮は、水と石鹸を使って手作業のみで仕上げるため、動物の命を守りながら、美しいユニークな服を作れるのだ。
別のデザイナーのアリーナ・ベロウソワさんは、コンピューターやラジオの部品、ハイテク材料の使い古しなどを素材とした、独創的なアクセサリー・コレクションを準備した。金属ゴミに新たな息吹が吹き込まれたばかりでなく、スクラップ焼却の過程で出る有害物質が大気中に放出されずにすむ。
やはり期待はファッション・ショー
しかし、何と言っても、来場者の期待が大きかったのは、「グリーン」デザイナーによるファッション・ショーだ。20名以上のプロのデザイナーが参加し、窓が開け放たれた温室にステージを配置した。観客は干し草をイス代わりにして座り、ステージの周りに置かれたカゴから、リンゴをもらっていた。
「エコ・ファッション・ウィーク」の主な目的は、既に名をなしたデザイナーや若手が、それぞれのエコ・ファッション観を披露できる場を創ることだ。また主催者は、最新のファッション概念を取り入れた、エコ・デザイナーのグループをロシアで結成することや、新たなエコ・ブランドを推進することも、今後の視野に入れている。
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