何でも割り切るロシア人

荒川博生氏
レストラン「桜」・料理長

モスクワには、もう大体2年ぐらいです。ロシアの気候には体がついてこなかった。夏は暑くてスモッグがすごい。9月、 10 月ごろ急に寒くなって、マイナス 12 度とかになる。そういう生活に体が適応できなかったというのが1年目の感覚です。

 

 モスクワは気候以外困ることはあまりなかったけど、言葉が全然わからないので、買い物するときは「2千ルーブルです」と言われても分からず、毎回レジの数字を見てお金を払った。

メリハリある生き方

 ロシア人の性格は、私が受けた印象は、割り切る性格ですね。日本人とは全然違いますね。日本人って、例えば楽しむことと、苦しむことって、あまり分けられない。

ロシア人は、楽しむときは楽しむ、苦しむときは苦しむって、結構分けてないですか。酒を飲むときは飲む、飲まないときは飲まないでしょ。そのメリハリって、日本人は得意じゃない。そういう意味で勉強になる。

最近はすごく気候がよくなって、出歩く人が急に増えた。冬は人が少ないね。暖かくなると人が増える。短い夏を楽しんでいるでしょう。ま、メリハリがあるね。そういった考え方はいいと思う。
皆さん、5月とか8月って、長い休暇をとって別荘へ行くでしょう。まとめて1ヶ月ぐらい休む人もいる。そういう生活は日本ではあり得ないでしょう。日本人の文化では、休むのは悪いことだと思われてる。

=ナタリア・ミハイレンコ

ベランダがない

ロシア人の知り合いは、主にここに来てるお客さんですね。「食事に行きましょう」ってことになって、自宅や色んな所に連れて行ってもらってますよ。
ロシア人の住居は大体マンションで、一軒家って田舎でもあまりない。日本のマンションには大体ベランダがあるでしょ、モスクワの中心にはあまりない。洗濯したものを干す場所とかないんでしょ。それはびっくりした、洗濯物はどうするのか。
ロシアのマンションは部屋が非常に大きい。今住んでいる所も非常に大きい。ロシアのことは、こちらで生活してる人しか分からないと思う。日本でロシアに関する情報は、ほぼないぐらいの状態なので。
日本は平和なんですよ。事件とかもちろんあるけど、平和ボケしてるね、平和が当たり前だから。日本て、日本人しかいないでしょ、移民の国じゃないから。ロシアには、色んな民族の人がいる。日本人は国内では安全を保障されてると思ってる。


お互いに合わせないと

 モスクワの交通渋滞はすごいね。観光する場所なら、スターリン建築はきれいでしょ。モスクワの中心は、夜ライトアップして、赤の広場なんてすごいでしょ。
食べ物は、夏に桃が出回って2週間ぐらいが、めちゃめちゃおいしい時期だね。
最近、ロシア人の感覚と価値観が分かってきた。そこに合わせないと無理なんですよ。日本人は、仕事で頑張るのは当たり前のこと。ロシア人は、それができる人が少ない。頑張ると良いことあるよ、と思って楽しみを上げる、そういうイメージだ。日本人と全く違う。日本人は、頑張れば未来が開けると思ってる。
ロシア人スタッフは学習して私の感覚に合わせてきた。段々そういうギャップが少なくなってうまくいくでしょ。感覚と価値観はそんなに急に変わらないでしょ。 (談)

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