ロンドン五輪で上位3位以内を狙うロシア

ロンドンオリンピックの開会式まで100日 =Vostock/ロイタ通信撮影

ロンドンオリンピックの開会式まで100日 =Vostock/ロイタ通信撮影

自国でオリンピック開催となれば、ロシア国内がその話題でもちきりとなるのも当然で、2014年がまだ当分先だということも忘れ、ソチ冬季五輪で勝利しなければならないと、しきりに自分たちに言い聞かせている。

一方、ロンドン夏季五輪は目前に迫っている。最近はロシア・スポーツ界の低迷を指摘する報道が多い。昔であれば、メダル獲得数が第2位となっただけで、恥ずべき失態と見なされていたが、今はどうだろう。最近の2010年バンクーバー冬季五輪では、第11位というワースト記録をつくってしまった。

目下、このような状況を変えようと、国中が躍起になっている。オリンピック競技に国が関与し、懸命な努力を続ける選手に権威を与え、競技人口不足をうまく切り抜けようとしている。現在の選手層は、経済的な混乱から出生率が著しく低下した1990年代生まれが中心なため、人数が少ないのだ。

1990年代、資金不足を理由に、オリンピックへの参加を取りやめようと言った政府高官がいたことが、悪夢のように思い出される。悲劇とまでは言わないものの、このつらい時代は遠い過去の話として消えて行った。オリンピック選手育成システムが停滞してしまったが、それは一時的であったと思いたい。今では、驚くべき力を秘めた中国人選手が主なライバルとして台頭してきた。今大会では、じわじわと戦略的に力をつけてきている主催国のイギリスと、第3位の座を争うことになりそうだ。

ロシアにも成長している部分はある。2011年世界陸上競技選手権大会では、陸上競技で金メダルを9個獲得し、ソ連時代の記録を塗り替えた。新体操選手は、いつの時代でも強く、輝いている。2011年の非公式な国別メダル取得リストでは、中国、アメリカに続き、ロシアが第3位となり、第4位のドイツを大きく引き離している。イギリスは第7位だ。ロシアとアメリカはほぼ同レベルで、金メダルの数で相手が勝っているというだけだ。

もっとも、状況をあまり楽観視できない競技もある。オリンピック競技中、メダル獲得数が陸上競技に続いて二番目に多い水泳だ。ボート競技やサイクリングには、ほとんど期待できない。多くの団体競技は、ロンドン行きの切符すら手に入れることができなかった。北京五輪で表彰台を独占したロシアの予測不可能なテニス選手は、ウィンブルドンのテニスコートでどのような戦いを見せるのか、見当もつかない。

金メダルを確信できるような競技は限られているが、あることはある。今回の場合、有望選手自身が気持ちを強く持つことが出来れば、勝利できるだろう。陸上競技の選手は、4つ星ホテルのような宿泊施設と、それ以上のレベルの食事つきという豪華な条件が備えられたソチで、多くの時間を費やしてきた。体操選手は、モスクワ郊外のクルグロエ湖近くの施設を好んで使用している。

ロシアのスポーツは新しい時代を迎えた。「自分が」好きな競技に大規模な民間投資をすべきだ。富豪の誰かが特定のオリンピック競技を好み、投資をし、多額の賞金をしたら、活性化していくだろう。

オリンピックで獲得されたメダルは、国の競争力や発展力の指標になる。メダル獲得数が多ければ、国はスポーツに限らず、自国を大国だと認識できるようになる。

連邦スポーツ観光青年政策省のヴィタリー・ムトコ大臣は、非公式な国別メダル取得リストで第3位なら、オリンピックで成功できると確信している。中国と戦うのは難しく、アメリカと戦うのは非常に難しい。地の利で有利なイギリスと戦うのも大変なはずだ。

ロシアの全スポーツ連盟の代表と同席したオリンピック総会では、会場の一致した見解に驚かされた。ロシアはロンドン五輪での国別メダル獲得数で第3位以内、力ではそれ以上だというのである。

それはどういうことか。楽観することができなければ何も成し遂げることができないという、スポーツ界特有の楽観的な姿勢か。あるいは冷静な評価か、過大評価か、実力か。ロンドンでわかるだろう。