収束に向かう抗議運動

モスクワのデモは比較的平穏であったが、複数のメディア機関によると、サンクトペテルブルクの集会は地元の公安部隊に鎮圧されたという。写真提供:リカルド・マルクイナ・モンタニャーナ

モスクワのデモは比較的平穏であったが、複数のメディア機関によると、サンクトペテルブルクの集会は地元の公安部隊に鎮圧されたという。写真提供:リカルド・マルクイナ・モンタニャーナ

モスクワ中心部では抗議集会が開かれているものの、選挙後の不満は次第に消えつつある。 土曜日の集会では、3万人近くが集結したと反体制派は主張しているが、当局は実際の参加者を1万人程度としている。

政府の許可を得て開かれた今日の集会では、現在の政治体制に批判的な何千人もの人たちが一堂に会した。抗議集会の参加者らは、公正な選挙を求めて新アルバート通りに集結した。反体制派やナショナリストたちが騒乱を引き起こそうとしたが、モスクワ中心部には多数の警察官が配備されていたため、深刻な事態につながることなく、デモ集会は穏やかに進行した。左派のセルゲイ・ウダリツォフ氏は、60人ほどの運動家を率いて、新アルバート通りからクレムリンに向かう無許可の行進を試みたが、警察は彼やその他の抗議者たちを拘束した。

今回の集会は、これまでの集会ほど大規模ではなく、警察の発表によると、集結したのは1万人ほどであった。一方、左派のセルゲイ・ウダリツォフ氏を含む反体制派は、自分たちの憤りをあらわにするために、3万人ほどの抗議運動家が集会に参加したと主張している。   しかし、土曜日の人出が以前の反政府集会よりも少なかったことは、彼自身も認めている。これは、選挙が公平であったと人々に信じさせた「クレムリンの一貫したプロパガンダのからくり」によるものだ、と彼は主張する。

ロシア各地で抗議集会 

サンクトペテルブルク当局が抗議集会の開催許可を拒否したため、土曜日に同市の中心部でデモ行進を試みた40名の運動家たちは、警察によって解散させられた。参加者の中には拘留された者もいる。同様に、ニジニ・ノヴゴロドの当局は、150人にのぼる参加者が終結した抗議集会を弾圧し、現地警察は何人かを逮捕した。抗議運動はシベリアの複数の都市でも発生したが、いずれも数十人程度の運動家しか集まらなかった。

抗議集会の主要課題にほとんど変わりはないようだ。そのため、集会参加者は、先日の大統領選挙が不公平で不正であったと、依然として主張している。さらに彼らは、政治的改革に加えて、再度大統領選挙と議会選挙を実施するよう求めている。    

彼らの選挙期間中の主要なモットーは、「重要なのは選挙自体ではなく、大統領でもない」だった。ウダリツォフ氏が述べるように、両選挙と大統領の違法性にスポットライトを当てることが、抗議運動家たちの目的であった。      

過半数のロシア人がプーチンに票を投じたが、同じ有権者が複数の投票所を巡って投票する「メリーゴーランド」行為から、投票の水増しにいたるまでの、多数の虚偽行為が選挙中に生じたと、土曜日の集会に足を運んだ抗議運動家や選挙監視員たちは指摘する。彼らは、ウラジーミル・プーチンに有利になる形で票が盗まれ、大統領選挙の正当性に影を落としている、と主張する。

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「大きな白い輪」

土曜日の集会で演説を行った、リベラル系反体制運動家のウラジーミル・ルィシコフ氏も、選挙結果の正当性を問う人物の一人だ。ロシア通信の取材に対し、「我々にとって重要なのは、反プーチンの態度を示すために人々が外に繰り出し、この国で何らかの変革をもたらすことができるのは、自分たち以外の何者でもない、と我々自身が認識することだ」と彼は語った。「我々は、新たな規則を制定させ、引き続き言論の自由、即時の議会選挙および大統領選挙を求めていく。また、メディア検閲の中止と政治犯の釈放も要求していく」。

 こうした集会では、チェスプレーヤーから反体制運動家に転じたガルリ・カスパロフ氏、テレビ番組プレゼンターのクセーニャ・ソプチャク女史、そして選挙監視員らも演説を行っている。

「抗議運動は収束に向かいつつあるようだ」と「統一ロシア」党党員のセルゲイ・ゼレズニャク氏は、コメルサントFMの取材に対して語った。「抗議運動のレベルは現在低下中だ。主催者発表の参加者数には信憑性がないので、この形式での抗議集会はもうそろそろ終わりになるだろう」。   

集会の参加者の中には、人出の少なさに失望する声もあった。「最低でも50万人が抗議運動に繰り出さない限りは、ロシアに変革がもたらされることはないだろう」と、モスクワ在住の年金生活者ユーリ・ロストフスキー氏はロシア通信に対して語った。

弁護士のアントン・イェジョフ氏は、「抗議運動がこの先どうなるのか、私には分からない」と、ロシア通信のインタビューに対し語った。「ロシアが全体主義的支配に戻る可能性は否定できない。だが、こうして集会に足を運び、奪われた選挙に対して異議を唱えることは、私の市民としての義務なのだ」 。

ビデオ提供:リカルド・マルクイナ・モンタニャーナ