養子探しネットで 縁組成立確率80%

テレビ番組 「みんな家にいるうちに」の司会者 チムール ・キジャコフさんに聞く

キジャコフ夫婦=タス通信撮影

キジャコフ夫婦=タス通信撮影

 国営テレビ第1チャンネルの人気番組「みんな家にいるうちに」の中に、養父母志願者たちに全国の孤児たちを紹介するコーナー「お宅に子供が」がある。この番組の司会者チムール・キジャコフさんとエレーナ夫人の発案によるものだ。 

  このコーナーでは、全国の孤児養育施設に居る子供たちの個別の映像が流されるが、その後インターネットの「ビデオ・パスポート」(www.videopassport.ru)というサイトに組み込まれ、養子を探している人々が自由に検索できる仕組みだ。このサイトも夫妻のアイデアでできた。チムールさんに話を聞いた。

―養子コーナーを作ったきっかけは?

孤児のデータベース「ビデオ・パスポート」とは

まず養護施設で子供の映像を撮る。日常生活の映像とインタビューを組み合わせたものだ。一人の子供の「ビデオ・パスポート」を作るのに40時間ほどかかり、30人のチームで取り組んでいる。
編集された資料は、地域の児童相談所に提供される。養子を探している人は、児童相談所でそのDVDを手に入れるか、www.videopasport.ruで自由に閲覧することもできる。各地域の行政体はこの資料を無料で利用し地元のテレビで放映する権利がある。
「ビデオ・パスポート」は花のようにデザインされている。花芯に写真があり、花弁には「私のビデオ」、「私の成果」、「私の好きなもの」といったテーマごとの情報が盛られている。「私の健康」という欄は最後に置いてある。その子についてすでに多くのことを知っていれば、健康に問題があるとしても思いやりの心でそうした情報を受け止められるからだ。
これまでに約1500人分を作成し、800人以上の養子縁組が成立した。現在100人ほどの「ビデオ・パスポート」がブロックされているが、これは希望者が検討中であるためだ。養子縁組が成立する確率は80%近くに達しているが、ロシア全国の統計では8%にすぎない。

 私たちは番組でもう20年間家庭の幸福について語ってきましたが、5年前に、家庭を必要としている子供たちのためのコーナーを設けるべきだと考えたのです。

  このコーナーが始まると、大きな反響がありました。毎回、子供が紹介された地域の児童相談所に何十本、何百本という電話が殺到したのです。そうした電話に丁寧に注意深く応対すると、他の子供たちにも養父母が見つかるのでした。

 あるとき、事故で両親を亡くし、自分も手の指を失った少女を紹介しました。放映後に何十本も電話があり、養父母が見つかりました。
ほどなくもう一本電話がありました。サンクトペテルブルクの医師たちからのもので、彼らは無償で少女に指の移植手術を施しました。今その子は元気に暮らしています。けれどもより大事なのは、子供に再び家族ができたことです。

―もうすっかり養子問題の専門家ですね?

 専門家たちとの交流を通して、実に多くの新しいことを知りました。
例えば、子供が新しい家庭で暮らし始めて最初の一月ほどは養父母に気に入ってもらおうと涙ぐましい努力をするものの、やがて暴れだし勉強を怠けるようになったとしても、それは正しく成長する正常な人間のごく当たり前の反応なのだ、ということを。

 新米の養父母が「蜜月」の後に「適応の時期」が訪れることを知っていれば、パニックに陥らずにそれを好いシグナルとさえ受け止められる、ということを。
情報を広く行き渡らせることが必要です。昨年私たちは、自分たちのプロジェクトの枠内で、通信制の養父母学校のためのビデオ・レクチャーを作り始めました。
レクチャーは 
20 あり、それぞれ1時間~1時間20分です。それでも伝えたいことが収まりきらないので、今年はさらに15のレクチャーを制作します。

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減らない孤児

 実は、孤児院に子供が返されるケースはかなりの数に上っています。束の間の憐憫から子供を引き取ることはできますが、そうした感情による決心は禁物です。やがて子供が邪魔になり、あれこれ言い訳をこしらえるのです。うわっつらだけのアプローチはだめですね。