ボストーク湖=ロシア通信撮影
ロシアの研究チームが、南極大陸の氷床表面から3768メートル下に眠るボストーク湖に到達した。ロシア通信社が報じ、研究グループのリンク先も掲載されているが、詳細については、まだ伝えられていない。
この湖の存在は1950年代にはすでに推測されていたが、正式に確認されたのは1996年である。長さ250キロメートル、幅50キロメートル、深さ1.2キロメートルで、地球上で最も大きな淡水湖のひとつとなっている。
ロシアのボストーク基地で掘削が始められたのは、まだ湖の存在がよく知られていなかった1970年代で、水深の深い場所の氷の試料を採取すれば、地球の歴史を探ることができるとして、科学者が興味を示していた。
湖の生態系を汚さずに保存できるような安全な掘削技術がないとの理由で、1998年に作業は一時中断された。その後、2003年にサンクトペテルブルク国立鉱山大学が技術を開発し、2005年に掘削が再開された。
ボストーク湖の水試料は、ロシア北極南極研究所(サンクトペテルブルク)が調査を行う予定で、ロシアの研究者がこの分析を行うのは初めてとなる。
約4キロメートルもの厚さの氷床に隠れた湖は、数百万年もの間、地球の大気圏や表面の生物圏から隔離された状態にあり、貴重な水界生態系となっている。研究者グループは、未知の微生物の発見や、太古からの地球上の気候変動について、新たなデータを入手できるかもしれないと期待している。
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