国民の憤りを募らせた選挙結果

地下鉄チスティエ・プル-ディ駅近くの選挙後の抗議集会を抑制する警察=AP Photo撮影

地下鉄チスティエ・プル-ディ駅近くの選挙後の抗議集会を抑制する警察=AP Photo撮影

モスクワ中心部の騒乱は、専門家の見解を分裂させている。 

2011年の選挙に端を発した反対勢力と親クレムリン派間の対決は、ロシア政治が興味深くも予測できなくなってきたことを示した。そして、選挙結果が操作され、不正行為が行われたであろうと、ロシア国民が疑念を抱いているということが実証された。

凱旋広場と地下鉄チスティエ・プル-ディ駅近くの抗議集会で多数の参加者が拘束され、警察との衝突が発生したことから、当局はより強硬な処置をとる可能性がある。インターファックス通信によると、火曜日の抗議集会では、少なくとも569人の抗議運動家が拘束された。その前日には、ロシア人の反腐敗運動家ブロガーのアレクセイ・ナバルニ氏を含む、300人ほどが拘束されている。

反対運動グループが次の抗議集会を土曜日に開催すると発表したことから、当局がこのような手段を用いたことが、国民の憤りを刺激したようだ。

この現状をどう捉えるべきであろうか。クレムリンによる強硬措置は、どのような結果に結びつくのであろうか。当局が選挙後の騒動から学ぶべきこととは何であろうか。最近の展開は、当局が現状に対して本当に危機を感じていることを意味するものなのであろうか。

専門家の見解は分かれている。ここ数日のデモがロシアの政界に大変革をもたらすとの考えがある一方で、リベラルな分析家たちは、クレムリンの行為が社会的不安を募らせる可能性があると主張する。

国際政治専門知識研究所所長のエヴゲニー・ミンチェンコ氏は、選挙後に社会的騒動が生じるというシナリオは予測可能であったと論じる。ロシアNowの電話インタビューに対して、彼は「抗議活動の準備は選挙前から進められていました」と語った。

ミンチェンコ氏は、モスクワの選挙結果を抗議活動の明確な根拠とすべく、有権者は選挙結果を疑問に付しているのだ、と何度も強調した。「国内での野党の情勢が、抗議活動を刺激するにあたって重要な役割を果たしました」と彼はつけ加える。「今、与党を支持しても、ロシア国民の支持を得ることはできません」。

ミンチェンコ氏は、この抗議は警戒すべき兆候であると考えるが、それが危機的状況であるとはみなしていない。「クレムリンがここ数日の騒動を恐れているとは言えません。当局は単に予防手段をとっているのです」。  

政治技術センター副所長のゲオルギー・チズホフ氏も、同じ考えだ。「抗議運動の波及は確かに避けがたいものでしたが、(2004年のウクライナの抗議運動の時とは)状況が異なるため、その時のように大規模にはならないでしょう」と、彼はRBTHに語った。

だがその一方で、チズホフ氏は政府が抗議を恐れているのかどうかについては、明言するのをためらう。「ここ数日のデモが、現政権に打撃を与える可能性は極めて低いでしょう。その一方で、当局は政治不穏がより大きな問題に進展する可能性を、少なからず気にしています」。       

チズホフ氏とミンチェンコ氏とは対照的に、モスクワを拠点とするシンクタンク「インデム」に所属するユーリ・コルグーニュク氏は、クレムリンは選挙後の騒乱に深刻な危機感を覚えており、それは、選挙の操作が「とてつもなく大規模だった」ことを意味すると主張する。

「「統一ロシア」は有権者の30%程度の票しか得られなかったにもかかわらず、投票所の得票率が49%ほどであったという事実は、疑念を生じさせます」と、コルグーニュク氏は述べた。「やはり、当局は操作に手慣れていますから。とはいえ、そういうこともいずれはなくなるでしょう。そして、騒乱に対してより強行的な手段をとれば、それはより否定的な結果と、メドベージェフ、プーチン両氏の低支持率につながるだけです」。

専門家のこうした予想が的中するかどうか、これから注目したいところだ。