将来のユーザー=Alamy/LegionMedia撮影
Dynamic Pixels、Herocraft、i-FreeやGame Insightなどは、当初はソーシャルゲームに重点を置く伝統的なタイプのモバイルコンテンツ会社だったが、現在では急成長企業の一角を占めるようになった。2005年にモバイル開発スタジオとしてモスクワに設立されたG5 Entertainmentは、今ではグローバル企業にまで成長し、モバイルおよびPC向けのゲームを大規模に開発している。同社のウェブサイトによると、1週間に1製品がリリースされるほどで、その中にはStand O'Food、Virtual City PlaygroundやSupermarket Mania 2などの国際的なヒット製品がある。
一方、小規模な開発企業も勢力を広げてきている。現在、世界中で何百万人ものモバイルゲームユーザーが、Cut The Ropeの愛用者になっている。キャンディを小さなモンスターの口に運ぶというこのゲームは、モスクワを拠点とするZeptolab社によって開発された。アンドロイド市場で最有力アプリとして賞賛されているPower Ampは、モスクワ出身者のマキシム・ペトロフ氏によって開発されたものだ。
「ロシアのモバイルコンテンツ業界は、ここ10年ほど成長し続けてきました」と、モスクワに本社を置くモバイルゲーム企業Dasuppa社販売部長、レオニード・コヴァリョーフ氏は説明する。「近年、次世代のモバイルゲームやアプリケーションが出現したことにより、状況が変わりました。アップルのApp StoreやAndroidマーケットなどのグローバル販売店を通じて、ロシアの開発企業は、どこででも簡単に販売を行えるようになったのです。彼らの目標は、グローバル化にあります」。
グローバル化を可能にするアプリの開発
ロシアにおけるスマートフォンの売上数は急伸しており、2010年から2011年にかけて2倍以上に増加した。だが、最近の調査によると、スマートフォンが全体の売上に占める割合は、ヨーロッパ、米国や日本と比べると、未だに半分未満だという。i-Freeによる最新の推計によると、iPhoneとアンドロイド搭載スマートフォンの所有者総数は、それぞれ150万人と500万人に届く程度にすぎない。
ロシアでは、他国と比べて、ソフトの収益化が困難とされる。「大半のユーザーは、優れたモバイル製品に対しては、お金を払ってもよいと考えています」と、i-Freeの共同創立者キリル・ペトロフ氏は説明する。「しかし、アップルのApp StoreやグーグルのAndroidマーケットは、通常銀行が発行するカードによる支払いしか受け付けないため、ロシア人はデジタル決済方法の利用を敬遠するのです」。
新世代のコンテンツは、ロシアの開発者に莫大な収入をもたらすことになる、とペトロフ氏は推定する。ロシアでは、着信メロディーやJavaゲームなどの従来型モバイルコンテンツ市場での売上が、依然として何億ドルという規模だが、開発者の大多数は、この方面での売上は減少していくだろう、と予想している。
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