「豊作だ!」 家庭菜園でカボチャを収穫する父と娘 =タス通信撮影
出生率引き上げと土地有効利用の一石二鳥
ロシアは、数年前まで毎年、人口が80万人~100万人ずつ減っていた。死亡率が高い(2009年の男性の平均寿命は62歳)のに、出生率は西側先進国並みに低かったのが原因。
まず出生率を引き上げようと、2007年から第2子以降が誕生する度に「母親資金」 として36万5千ルーブル (約94万5千円) を支給している。
好景気と相まって、出生率は2006年からこれまでに 22 %増加したが、1家族当たりの平均子供数は現在1,59人にとどまっている。ロシアの全夫婦のうち2人以上の子供がいるのはわずか3%にすぎない。
「社会保障基金」のデータによると、ロシアでは2009年に163万8千人の子供が生まれたが、うち第3子は 14 万200人、第4子以上は5万4500人にすぎない。
そこで、さらに出生率を高めると同時に、膨大な遊休地を有効利用する一石二鳥をねらったのが今回の措置。ロシアでは、耕作者不在の農地だけでも5千万ヘクタールに達する。毎年約20万世帯が土地をもらうと予想されている。
しかし、モスクワ州に住むナターシャさん(33)は、4年前に夫が事故死し、一人で3人の子供を育てているが、土地をもらうつもりはない。「家庭菜園はもうあるし、これ以上自分で耕す余力はないわ。かといって売ることもできないんじゃね。でも、これで助かる人もいるでしょうから、決して無意味とは思わないけど」。
一つの政策としては悪くないが、問題は残る、というのが大方の反応のようだ。
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