PhotoXPress撮影
リュドミラさんは、教育、法律、人事管理の三つの分野で学士号をもっており、2002年から人事担当として働いてきたが、今求職中。「 34 の求人に応募しましたが、年齢は記しませんでした。19社から返事がありましたが、そのうち14社は、私が55歳と分かると、年齢制限を理由に断ってきました」。
人材派遣会社 AntaRussia のミハエル・ゲルメルスハウゼンさんはこう話す。「年配者の根本的な問題は、知識をもっていても、時代遅れで、語学力が弱く、今の企業の性格がよく分かっていないことです」。同氏によると、たとえば、金融の専門家の求人では、事実上、 35 ~ 38 歳が年齢の上限。
広告会社マニヤコ社長キリル・ゴトフツェフさんは、「 30 歳までにその道のプロになれない者は落ちこぼれだ」と言い放つ。
確かに、1990年代に頭角を現したビジネスマンたちの平均年齢は 30 歳くらいだった。
しかし、彼らは今や中高年。ロシアのビジネスの多くでは、こういうエキスパートは単に要らないだけなのだ。
経済には汚職がまん延しており、ビジネスはコネで決まる。だから、経営者としては、あごで使える若者がいれば事足りる。競争原理が働かず、品質は二の次となるから、熟年エキスパートは不要ということになる。
モスクワ・インターナショナル・ビジネススクール(通称ミルビス)人事コース担当教員ナテッラ・バルマコワさんは、「年配者への私の助言は、知り合いを通して職を求めること。素性の知れぬ中高年がリクルーター(たいてい 30 歳前の若い女性)のお墨付きをもらうのは並大抵ではありません」と言う。
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