「ヴァルダイ」でプーチンが演説

ロイター撮影
ウラジーミル・プーチン大統領は22日、ソチで行われた第12回「ヴァルダイ」国際会議(国内外のロシア内政・外交の研究者が集結する毎年恒例の会議)に出席。アメリカのミサイル防衛システムの脅威、北大西洋条約機構(NATO)軍のロシアへの接近、シリア情勢、その他の重要な問題について話した。発言のポイントをロシアNOWがまとめる。

NATOについて

 「ロシアは本当に、民主主義が我が国の国境に接近することに反対などしているのだろうか?NATOがロシアの国境に迫ることを、民主主義と言っているのか?これが民主主義であると?NATOは軍事同盟。ロシアが懸念しているのは、民主主義が国境に接近していることではなく、NATOの軍事インフラが迫っていることである」

 

シリアのバシャール・アサド大統領との会談について

 「アサド大統領にこう聞いた。もしシリアで『イスラム国(IS)』に敵対し現実的に戦う用意のある武装した反体制派を、我々が見つけたら、どう思うのか。もしロシアがそのような反体制派の努力を支援したら、どう思うかと。するとアサド大統領はこう答えた。肯定的に受け止めるよ、と」

 

 

シリア情勢について

 「シリアの分裂は絶対に許されない。分裂は紛争を解決しないし、紛争は永続化してしまう。何も良いことなどない」

 「これ(アメリカがシリアの反体制派に携帯式防空ミサイル・システムを提供すること)が起こらないよう願う。これはアメリカのパイロットにとっても危険になる。アメリカ政府はわかっているはずだ」

 

アメリカのミサイル防衛システムについて

 「これ(アメリカのミサイル防衛システム)がロシアに脅威をもたらさないとでも?脅威になるに決まっている!そして国際的な安全保障の哲学自体を変える」 

 「数日前に、ヨーロッパでアメリカのミサイル防衛システムの初めての試験発射が行われた。これは何を意味するのか?ロシア政府がアメリカ政府と議論した際に言ったことが正しかったということ。ロシアが最初に言った通りだった。アメリカのミサイル防衛プログラムの目的とは、戦略的な(勢力)バランスを崩すこと。自国の意図を皆に押し付ける可能性を手に入れようとする試み。ロシア、そして全世界を、いつものごとく、迷走させようとした(イランの核問題で)。もっと単純に言うと、だました」

 

イラクのテロ防止対策への支援について

 「イラクに兵器や弾薬を供給しながら貢献している。兵器および軍事技術品の供給だけでなく、イラク、ロシア、シリアの関係者によって開設されたセンターを通じて情報交換を行いながら、協力している。だが拡大する計画はない」

 

ミンスク和平合意について

 「我々がウクライナ南東部の長期的な平和とウクライナの領土保全の再建を望むなら、ミンスク和平合意の履行以外の方法はあり得ない」

 「ドイツとフランスは間違いなくウクライナ政府を支援しているが、それでも、私から見ると、状況をかなり客観的に評価しており、白か黒かという単純な問題ではないことをすでに理解している。すべてははるかに複雑である」

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