ロシアのインターネットに外国の影響

=マキシム・ボゴドヴィド/ロシア通信撮影

=マキシム・ボゴドヴィド/ロシア通信撮影

ロシアの「市民社会発展財団」が、「今日のロシアのインターネット」という報告書を発表した。その中では、ここ4年でインターネット・ユーザーが増大、成長し、これまでのように専ら娯楽の情報源として受け止められることはなくなった点が強調されている。その一方で、この報告の中では、ロシアのインターネットに対する外国の影響が強まってきており、2016年から2018年に行われる国会や大統領の選挙結果に、大きな影響を与え得ると予測している。

外国の“影” 

報告書では、ロシアのインターネットのグローバル化と、その負の結果に重きが置かれ、アメリカのIT企業が、ロシア市場で活発な展開をしている点が指摘されている。現在、ロシアのインターネットで毎日利用されているサイト上位20件のうち、5件はロシア以外のサイトとなっている(Google、Wikipedia、YouTube、Twitter、Facebook)。

「この状態が続くと、数年後にはロシアのインターネットのほとんどが、ロシア国外に位置し外国のドメイン領域で登録された外国のサービスに、支配されるようになる」と報告には記されている。

また、ロシアのインターネットにおける外国勢の拡大は、外国のサービスの比率の高まりのみを意味するわけではないという。アメリカの企業や財団は、成功しているロシアのインターネット企業に積極的に投資を行っており、人気サイト上位20件のうちのロシアのサイトの多くに、高い外国資本の比率が見られる。

「革命のツール」 

「また、Twitter、Facebook、YouTubeなどのソーシャル・ネットワーク自体が、反体制派の活動のコーディネートや動員の主なツールになりつつある」という。

例としてあげられたのが最近起きたエジプトの運動だ。この報告はさらにこう付け加えている。「これらのサイトを使って、原理主義的またテロ的な内容を含む資料が拡散され、それをサイトの管理者が一切阻止しようとしていない」。

2011年から2012年にかけて、ロシアのインターネットでも、中東諸国で使われた多くのサイトが反体制運動に利用され、ソーシャル・ネットワークの招待状の大量配布や、「政治的スパムメール」の送付などで、反体制運動に人を動員した。

世界的なインターネットは「1984年」? 

報告では、今後数年で、インターネットがロシア人にとって基本的な情報源となることも、予測されている。それによると、ここ4年でインターネット・ユーザーが増大し、成長し、これまでのように、専ら娯楽の情報源として受け止められることはなくなったという。

「主な情報源としてのインターネットに対する市民の信頼度が、高まり続けた場合、2016年に行われる国家会議(下院)議員選挙や、2018年の大統領選挙が、新たな情報社会で行われると考えて間違いない。そこで主役を演じるのは、世界的なインターネットだ」と報告書には記されている。

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