ロシアの冬を楽しむスポーツ5種

ウィンター・ゾービング=

ウィンター・ゾービング=

Lori/Legion-Media撮影
 寒くて長いロシアの冬。じっと部屋にこもり切りではつまらない。アクティブに、スポーティブに過ごす方法を、ロシアNOWがご提案する。

スノーカイト

 スノーカイトはカイトサーフィンの冬バージョンである。パラグライダーのパイロット、ディーター・ストラジラ氏の情熱により、ドイツ・アルプスで誕生したスノーカイトが、ロシアの平原でも人気を博することとなった。ロシアでは、大都市でも、ボルガ川流域でも、シベリアでも、スノーカイトを楽しむ人にお目にかかることができる。特にロシアのスノーカイターに人気なのは、氷結した水域だ。

 たとえば、トリヤッチ市(モスクワ南東986km)近郊にある、ボルガ流域最大のクイブィシェフ貯水池では、毎年、スノーカイトのロシア選手権が開催される。アマチュアならば、ロシアのほとんど全域でロケーションを選ぶことができる。スノーカイター向けのツーリスト基地は極東にも、コーカサス地方にも、北極圏にもある。

Alamy/Legion-Media撮影

ベスト・ロケーション:トリヤッチ市のボルガ河畔で行われる「ジグモア」祭、2016年2月23-28日開催

ホームページ:http://www.zhigmore.ru/

 

犬ぞり

 古来、北方の先住民たちは、犬ぞり用の犬を飼育してきた。しかし今は、雪に覆われた森の中を四足の美男子たちとともに駆け抜けるのに、必ずしもチュクチやタイミルに出かけることはない。モスクワ郊外にも飼育場があり、長毛のライカ、ハスキー、マラミュートを飼育し、伝統の冬の楽しみ・犬ぞりに、犬を提供している。それよりプロの滑りを見てみたい、とおっしゃるならば、コストロマ州(モスクワ北東338km)にお出かけを。ここでは2月の末に大型国際レース「ノース・ホープ(北方の希望)」が開催される。

Alamy/Legion-Media撮影

ベスト・ロケーション:犬ぞりレース「Xインターナショナル・ノース・ホープ2016」、コストロマ州で2016年2月20-24日に開催

ホームページ:http://race.nordhope.info/en/north-hope-light

 

アイスダイビング

 ダイビングといえば珊瑚礁に熱帯魚。しかし、常にそうかというと、そんなことは全くない。バイカル湖の透明な水に潜っても、熱帯の海ほど多様な動植物相が見られるわけではない。しかし、地球上で最も豊かな淡水をもつバイカルには、別の長所がある。多くのダイバーが冬場に当地を訪れる。磨き上げられたような氷の表面は、唯一無二の視覚効果を生み出す。

 シベリアでのダイブサファリ(ダイビングスポットめぐり)を計画するなら、氷が十分頑丈になり、車で湖心に乗り込めるようになる、2―3月がベストだ。氷の厚みは時に1mを上回る。それでも完全に透明だ。これほど鮮烈な印象を与える光景もないだろう。稀少なバイカルアザラシと遭遇でもすれば、話は別であるが。

Lori/Legion-Media撮影

ベスト・ロケーション:イルクーツクより70km(モスクワから東へ5200km)のリストヴャンカ市

 

バンディ

 パックを打ち合う一番メジャーな形態のアイスホッケーは、ロシアでは「カナダ式」ホッケーと呼ばれる。「ロシア式」ホッケーとされるのは、バンディである。湾曲したスティックとボールを使う、はるかに知名度の低い、アイスホッケーの一種だ。バンディはサッカーコート大の競技場で、たとえ最悪の寒波の中でも、大体において屋外で行われる。

 最近ではプロの試合が屋内競技場に所を移すことも増えてきたが、多くの人が、それではバンディの魅力が台無しだ、と考えている。年季の入ったサポーターは、たとえば、1999年、アルハンゲリスクで開かれた世界選手権を引き合いに出す。試合中、スタジアム上空には、零下30度の寒波が吹き荒れていた。アマチュアのバンディはシベリアや極東の諸都市で盛んである。クラスノヤルスクやハバロフスクにはボールを打ち合うアイスホッケー=バンディを楽しむための場所が沢山ある。

 Alamy/Legion-Media撮影

ベスト・ロケーション:ハバロフスクのエロフェイ・アリーナ

ホームページ:http://erofey-arena.com/en/

 

ウィンター・ゾービング

 自分の肉体の可能性を試したい、という向きには、ゾービングを勧めてみるべきだ。透明な球体に包まれての滑降。この狂気じみた遊戯は天候を問わず人気だが、ロシアでは、他ならぬ冬という季節と連想される。雪合戦やスキー、スノーボードではもはや飽き足らないという人には、巨大な球体の中に入って斜面を転がり落ちること、これこそぴったりかも知れない。

 モスクワ市内の多くの公園で、冬場、ゾービング場が設えられる。目くるめく冒険には、二人で旅立つこともできる。それによって、少なくとも、印象を語り合うことができるだろう。

ベスト・ロケーション:フィリ公園(ボリシャヤ・フィリョーフスカヤ通り、22番)のゾービング・コース

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