『誰も知らないロシア映画』

2016年7月12日 安達大輔

刊行:2015年11月

西 周成 著

アルトアーツ(kindle版)

 

 「ロシア映画って何を観たらいいんですか?」この質問にパッと答えられる本は、実はそれほど多くない。エイゼンシテイン、タルコフスキーあたりは別格として、現代アートに詳しい人ならソクーロフ作品の名前もあがるかもしれない。しかしその後は…(近年抜群の愛され度を誇ってきたソ連時代のアニメ『チェブラーシカ』を知らない学生も出てきた)。全ロシア映画大学で学んだ映画人の手になる本書は、これまで紹介されてこなかったものの豊かさを教えてくれる。コテコテの「ジャンル映画」や、ソ連崩壊期から2000年代までの作品紹介を白眉として、人間を描く伝統への愛と信頼に溢れた本。誤字脱字がやや目立つものの、電子出版の試みも面白い(アマゾンのkindleに対応)。


(安達大輔・一橋大学講師)

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