死後の世界でチャーチル、ヒトラー、スターリンが会う:ソクーロフ新作映画の構想

公有、Scherl/Global Look Press、Yousuf Karsh
 死後の世界でベニート・ムッソリーニ、アドルフ・ヒトラー、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチルが出会う様子を想像してみてほしい。彼らはいったい何を話すのだろうか?これが、現代ロシアを代表する映画監督の一人、アレクサンドル・ソクーロフの新作の構想で、公開は2019年頃になる予定だ。

歴史的事件の根源を見つめるファンタジー

 アレクサンドル・ソクーロフ監督が、こうしたアイデアにもとづいて映画を作る狙いは、歴史的事件をよりよく理解することだという。

 映画の中で登場人物たちは、生前に起きた事件をただ思い出すのではなく、世界大戦を引き起こした諸事件について語り合い、意見を交わす。

 「これは幻想的な映画だが、実際に起きた事件がそこに反映されている」。映画の共同製作者アリョーナ・シュマコワはタス通信にこう語った。

 ソクーロフは、これまでにも駆使していた、ドキュメンタリー映像を長編映画に取り込む手法を使うという。

 

ヒトラーの亡霊は今もさまよっている…

 「ヒトラーは現代にもまだ“生きている”。扇動、洗脳される可能性のある人が多くいるからだ。本を読まず、ものを考えず、人道主義と文化の宝を知らぬ人がたくさんいる」。ソクーロフ監督は、イタリアの新聞「La Stampa」にこう述べた。

 この映画は、ロシアの国営映画基金と、イタリアの「イスティトゥート・ルーチェ」と共同で製作する予定。この映画会社は、かつてムッソリーニが宣伝映画を作るために設立した。

 アレクサンドル・ソクーロフはロシアを代表する映画監督の一人で、彼の2011年の映画「ファウスト」は、ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞している。

 ソクーロフの最新作「フランコフォニア ルーヴルの記憶」も、2015年に同映画祭のコンペティション部門で上映されている。

 これは、ナチス占領下でルーヴル美術館がいかに持ちこたえたかを語るドキュメンタリードラマだ。時空を超えて様々な歴史的人物をよみがえらせ、ところどころにアーカイブ映像を挿入している。

 2002年には、ソクーロフは、エルミタージュ美術館で、「エルミタージュ幻想」を、90分間ワンカットの長回し撮影法で製作している。これは、翌2003年のサンクトペテルブルク建都300周年を記念した作品だった。

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