京都の舞踏会のドレスとカラシニコフ銃

モスクワ・クレムリン博物館200周年でプーチン大統領とエレーナ・ガガリナ館長がピョートル大帝の王冠を見る。=EPA撮影

モスクワ・クレムリン博物館200周年でプーチン大統領とエレーナ・ガガリナ館長がピョートル大帝の王冠を見る。=EPA撮影

モスクワ・クレムリン博物館のエレーナ・ガガーリナ館長(56)に、赤の広場の新しい建物、カラシニコフ自動小銃がコレクションになった経緯、展示計画などについてインタビューを行った。ガガーリナ氏は、宇宙飛行士の故ユーリー・ガガーリンの娘。

-現在、どのような展示会の準備をしているのですか。

 夏の終わりまで、展示会「ヨーロッパの騎士団」を行い、その後、ボリス・ゴドゥノフについてのプロジェクトの準備をホールで始めます。ゴドゥノフのテーマは表面的な部分しか触れられておらず、あの時期についてはあまり知られていません。我々は国中の博物館から展示品を集めました。

来年の夏には、ロシアの一流宝飾家の一人であるイリギス・ファズルジャノフ氏の展示会を行います。ファズルジャノフ氏は、世界でも類を見ない方法でエナメルを扱っており、さまざまな国際大会でトップに立っています。最近、その作品の一部を購入し、当館の所蔵品としました。

 

-海外の作品の展示会はありますか。

 2016年秋に、京都の民間の服飾史博物館から、その最高のコレクションであるアールデコ時代の衣服をお借りします。主に夜会および舞踏会のドレスなので、カルテ​​ィエやヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーで補います。

 1980年代にアメリカに亡命した宝石加工師のヴァシリー・コノヴァレンコ氏の展示会も行います。ロシア美術館で開催された唯一のコノヴァレンコ氏の展示会では、金や銀のちりばめられた小さな彫刻が展示されていましたが、あの時代は貴金属の使われる作品に対する刑法典の項目が存在していました。その結果、コノヴァレンコ氏は、ファベルジェ社の作品で知られる伝統を継承しながら、常にロシアをモチーフとした仕事をしていたにもかかわらず、ロシアよりもアメリカで有名になったのです。

 

-経済の危機で博物館の予算は大きく減りましたか。

 すべての項目で10%ずつマイナスですから、かなりの額です。しかしながら、主なスポンサーは、幸いなことに、残っています。地方などの他の博物館ほど苦しくはありません。クレムリンは欠かせないスポットですし、年間約200万人の来館者に変わりはありません。

 

-クレムリン博物館は企画展のスペースが小さいですが、2015年春に赤の広場の建物が譲渡されることになりました。作業はすでに始まったのでしょうか。

 ウラジーミル・プーチン大統領令によって、赤の広場の「中部商店街」の建物(19世紀末の建築)が当館に移譲されます。そこに常設展の一部、展示ホール、修復工房、所蔵庫を置きます。現在は15~19世紀の建築記念物に事務所、修復工房、基金があるので、当館の職員は引っ越し作業を行います。例えば、基金の一部として、美しいフレスコ画が生神女就寝大聖堂にあり、また絵画が鐘楼のフィラレートの増築部分にあります。

 以前はすべてが2016年末までに完了すると言われていましたが、それが無理なことは今明らかです。展示プロジェクトに新しい建物は必要なので、楽しみにしています。現在は限られたスペースになっていますが、それでも当館の展示会は世界でも上位に入っており、定期的に受賞しています。

 

-クレムリン博物館は同時にクレムリン側の記念建築物も修復しているのでしょうか。

 当館にはプログラムがあり、毎年記念建築物、教会、宮殿のうちのいずれかの一部を修復しています。生神女福音大聖堂の作業はほぼ完成しており、現在は修復が必要な聖天使首大聖堂、総主教宮殿の一部に取り組んでいますし、また生神女就寝大聖堂の修復も始めました。

 

-クレムリンには展示会というよりも、建築物を見に来る人が多いですが、この建築群の一部としてのクレムリン大会宮殿(国立クレムリン宮殿)についてはどう思いますか。

 1960年代に行われたことについて今話をするのは無意味だと思います。クレムリン大会宮殿の場所にあった、イワン・エゴトフ建築の古い武器庫や、ボルの救世主顕栄教会が解体されたことはもったいないと思います。救世主顕栄教会はクレムリン大会宮殿の北側の増築のために壊されました。ですが、過ぎたことに「もしも~だったら」と言っていてもきりがありません。今から壊しても、ここには新しい建物しか建てられません。クレムリンはユネスコ世界遺産であり、クレムリン大会宮殿はその一部です。

 

-クレムリン博物館のコレクションは何か安定していた、良い意味で永久のものだったという感じがします。ですが、コレクションを増やしていますよね。

 コレクションはもちろん、できあがっています。それはロシアの大公、そして皇帝の宮廷の宝です。ですが、コレクションの規模を拡張しようと努めています。また、極めてまれではありますが、手に入ればビザンチンの作品を購入しており、またイコンもコレクションにしています。クレムリンのイコンのコレクションは世界最高です。時々、ロシアの君主の戴冠式に関連する衣装も一部調達しています。

 

-どこでですか。

 収集家が所有しています。これらはすべて武器庫にあるため、戴冠式の衣装ではありませんが、戴冠式に参加した貴族が持っていた衣装です。勲章のコレクションも増やしていますし、武器や宝飾芸術に関連する現代的なコレクションも築いています。

 

-どのようにして武器を選んでいるのですか。

 最近のコレクションは、イジェフスク工場から寄贈されたものです。カラシニコフ自動小銃一式です。クレムリン警備司令官局には、儀式用の武器や大統領連隊の制服をゆずってもらえないか、聞いてみようと思っています。今使っているものにはそれほどの価値を感じませんが、50年後には見つけることができなくなるわけですから。

 

記事全文(露語)

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