モスクワで日本映画祭開催

写真提供:Press Photo

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「第47回日本映画祭」が13日、モスクワの映画館「35MM」で開幕した。上映されるのは最近5年間に日本の監督が撮影した映画10本。開催期間は19日まで。

 この映画祭の歴史は長い。ソ連時代の1963年に、日ソ友好の印として始まった。以降日本とソ連で交互に開催されていたが、1992年から1995年まではロシアの困難な経済状況により、中断されていた。

 

今年のプログラムは 

 映画祭のプログラムについて、共催者であるディナ・ナザロワさん(芸術共同体「クールコネクションズ」)が説明した。

 「日本映画への興味は薄れていない。ロシアにとってまったく異なる文化だから。残酷なシーンやあからさますぎるシーンを、観客が常に受け入れられるわけではないけれど、どの映画のチケットもほぼ完売している。今回は日本と外国で受賞歴のある、アニメとドキュメンタリーを除いた映画10本を選定した。プログラムには、2008年に『おくりびと』でアカデミー賞を受賞した、滝田洋二郎監督の『天地明察』がある。山崎貴監督の『ALWAYS三丁目の夕日'64』は三部作の最後で、初めて日本国外で上映するものだから注目している。日本の現代の問題を扱っている『アントキノイノチ』には、人気急上昇中の榮倉奈々が主演。『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』には、北野武監督の『アウトレイジ』と『アウトレイジビヨンド』に出演している名優、三浦友和が主演。今回上映される『ひまわりと子犬の7日間』の平松恵美子監督は、5年前にこの映画祭に訪れているが、今回上映される『必死剣鳥刺し』と『やじきた道中てれすこ』の2本の映画を撮影した、平山秀幸監督とも今回会うことができた」

 

平山秀幸監督がロシアNOWにミニインタビュー 

 モントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞など、日本と海外で69賞を受賞している平山秀幸監督は、ロシアに2回来ているが、ロシアNOWに前回のエピソードなどを話してくれた。

 「ロシアに来たのはこれで2回目。前回は15年前に、自分の映画用の音楽を録音するため、モスフィルムにお邪魔した。三日三晩働いて街を観光する暇もなかったけど、ウォッカをたくさん飲んで、モスフィルムの寮で転んで、肋骨を骨折してしまった。今回はそういう珍事はなかったし、赤の広場、クレムリン、 救世主ハリストス大聖堂などを見学できた。自分がロシア映画のファンだとは言えないけど、学生時代にセルゲイ・エイゼンシュテインやアンドレイ・タルコフスキーの映画は見ていた。あと5年前にアンドレイ・ズビャギンツェフの『父、帰る』も見たけど、これはすごく気に入った。アレクセイ・ゲルマンの『神様はつらい』を早く見たい。アレクセイは優秀な監督だったから、亡くなってしまったことはとても残念だ」

 

平山監督の「必死剣鳥刺し」で開幕 

 今回開幕作品となった「必死剣 鳥刺し」の上映会には、約400人の観客が集まった。その中には平山作品のファンである、ハイテク分野の専門家、セルゲイ・カヴリンさんもいた。

 「平山秀幸監督の映画と日本のホラー映画の大ファン。今年でこの映画祭に来るのは7年目で、1本たりとも映画を見逃していない。今回は仕事を休まなきゃならなかった。平山監督とのミーティングで、『学校の怪談』(1995)をどこを探しても見つけることができない、アマゾンにも他のウェブサイトにもない、と話したら、監督が僕にソースを送ると約束してくれた。すごく嬉しいよ」

 すべての上映作品の音声は日本語で、英語とロシア語の字幕がついている。

 

*「第47回日本映画祭」の主催者は、在ロシア日本国大使館、国際交流基金、芸術共同体「クールコネクションズ」。

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