=タス通信撮影
ロシアで野党調整会議の委員を選ぶ選挙が行われた。この会議の目的は、統一されたイデオロギーの作成、野党の活動の調整、そして2011年12月の下院選挙後に反政府デモに参加した国民の代表役を務めることだ。
定員45名に200人以上が立候補
調整会議の組織者は、45名の委員からなり、うち30名は、任意の立候補希望者に当てられ、残る15名は、左翼、リベラル、民族主義的な政治組織からの代表5名ずつに割り当てられる。任期は1年。
45名の定員に対し、人気の街頭デモ指導者のみならず、あまり広く知られていないビジネスマン、ジャーナリスト、社会運動家、政治的野心のある一般市民など、200名以上が立候補した。
投票するためには、選挙管理委員会のサイトで事前に登録し、身分証明書の写しと小額の登録料を送るか、または登録所に出向いて登録するかの二通りの方法があった。
やっぱり問題はつきもの
当初、調整会議の投票は、10月20日と21日にインターネットと投票所で同時に行われる予定だったが、20日に中央選挙管理委員会のサイトがハッカー攻撃され、投票ができなくなってしまうというハプニングがあった。結局、投票日は月曜日夜まで延長された。
これ以外にも、金銭的な問題も発生した。規定では、主な選挙実施費用は、登録した候補者から一人当たり1万ルーブル(約2万6000円)ずつ集められて、まかなわれることとなっていたが、投票日直前になって、候補者の一部が組織者側の「詐欺」を訴え、返金するよう求めた。
警察当局は、訴えを調べた結果、詐欺罪の容疑で、刑事事件として捜査を開始した。選挙の組織者はすでに、異議をとなえる者全員に返金すると発表している。
矛盾した評価
議会政党や専門家の間で、この選挙に対する評価はわかれた。野党「公正ロシア」党のニコライ・レヴィチェフ党首は、選挙をインターネット・プロジェクト以外の何物でもないと考えている。「形式的な手順ではなく、人々を団結させる、目的のはっきりとした活動で、指導者を決めるべきだ」。
コメルサント紙の論説委員パーヴェル・シェレメト氏はこう語る。
「もちろん、この選挙自体で何かが変わるというわけではない。だが、これは、政治に変化を求めてきた雑多な人々が自ら団結しようとした点で、久々の試みだ。この調整会議の選挙は、野党の新しい指導者に正当性を与えるため、政府が非常にいら立っている。このプロジェクトを無視した人々は、今後悔しているだろう」。
クレムリンは、調整会議の今後について、落ち着きを装った声明を発表しているが、非公式の場では、高官らはもっといきり立った言い方をする。大統領府の関係者の一人はコメルサント・ヴラスチ誌に対してこう述べた。
「政府内でこの選挙に関心を持っている人はいないし、調整会議も誰も注目していない」。
*コメルサント紙、コメルサント・ヴラスチ誌、ロシア通信、ニュースサイト「ガゼータ・ル」の記事を参照。
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