1. キャタピラ (無限軌道)

1837年、ロシア軍のドミトリー・ザグリャシュスキー大尉はキャタピラの図案を考案し、財務局に「移動式軌道つき車両」の特許を申請した。特許は認められたものの、産業界はその発明に興味を示さず、2年後には特許が取り消されてしまった。1877年、農民で独学発明家のフョードル・ブリノフがキャタピラ付きの車両をつくり、ザグリャシュスキー大尉の発明はようやく日の目を見ることとなった。この発明品は、トラクターや戦車に応用された。

=タス通信撮影

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2. 電気軌道車両

電気軌道車両の登場は、輸送分野の革命を起し、市街地や工業地区の発展を加速させた。1874年から1876年にかけ、フョードル・ピロツキーが1本のレールを直流導体とし、もう1本のレールを逆流導体として、距離を置いた送電の実験を行った。その結果、電源から1km離れた電気モーターが動いた。数年後には、セストロレツクの鉄道の分岐線を利用し、40名の乗った車両で試験運転を行った。1881年、ドイツのベルリン郊外で、ピロツキーの設計にもとづいた世界初の路面電車が開業した。

タス通信撮影

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3. ビデオデッキ

アレクサンドル・ポニャトフは「ロシア航空の父」ニコライ・ジュコフスキーのもとで学び、1950年代にアメリカでアンペックス社を創設。ここで映像信号の記録に成功した。会社は半世紀にわたって磁気記録や映像の分野で世界の先頭を走り続け、家庭用ビデオレコーダーを生産する際、ポニャトフの特許を利用した。

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4. ラジオ通信

サンクトペテルブルク大学の物理学の教授だったアレクサンドル・ポポフは、1885年4月、自らが開発した無線通信システムに関する講義を行い、世界初となるラジオ受信機のデモンストレーションを行った。軍当局に勤めていたため、公に発表を行えなかった。ポポフと同時期に、イタリア人のグリエルモ・マルコーニも同様の試験を行い、1897年に論文が発表された。ポポフの発明品と違った点は、マルコーニの発明品がすぐに商業化されたことだ。そのため、ラジオの発明家が誰だったのかについて、西側諸国ではいまだに議論が続いている。

=Getty Images/Fotobank撮影

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5. ヘリコプター

イーゴリ・シコルスキーは、海外で開花したロシアの発明家の一人である。1910年、回転翼機の試作品を製作し、空中へと飛ばした。1912年、世界初となる水上飛行機、続いてマルチエンジン機を制作した。1917年にロシア革命が起こると、アメリカに亡命せざるをえなくなり、ロシアの作曲家、セルゲイ・ラフマニノフから資金援助を受けて、亡命先でシコルスキー・エアクラフト社を立ち上げた。アメリカで設計されたスコルスキーの最初の実験用ヘリコプターは、1939年9月、自身の操縦で空中を飛んだ。このヘリコプターの設計図をもとに、半世紀以上にわたって世界中のヘリコプターの95%が制作された。1942年、シコルスキーは二人乗りヘリコプターも開発した。

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6. ヨーグルト

発酵乳製品は先史時代から存在していたが、長寿に効くという理論を提唱したのが、科学者であるイリヤ・メーチニコフだ。発酵乳製品は腸内の腐敗を低減させ寿命を延ばすとし、摂取キャンペーンを1910年に推し進めた。

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7. テレビジョン

技術者のウラジーミル・ズヴォルィーキン(英語名:ツヴォルキン – 編集部注釈)も、アメリカで発明品を発表した一人だ。20世紀の重要な開発品である電気テレビは、ズヴォルィーキンの発明品でもある。1923年、アメリカの特許庁にテレビの特許を出願した。6年後、高真空テレビ受信管のキネスコープを開発し、その2年後には送信管のアイコノスコープを完成した。

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8. 分解ガソリン

自動車のない現代社会など考えられないが、ガソリンも同様だ。原油の重質留分や高沸点留分からガソリンを生成する接触分解によって、大量のエンジンの燃料が確保できる。通常の蒸留法では、原油の10~20%しかガソリンとして得られないのに対し、接触分解では70%を得ることが出来る。技術者であるウラジーミル・シュホフは、1891年に接触分解の技術を発明し、産業用のガソリン分解装置を初めて制作した。

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9. 合成ゴム

合成ゴムなしの現代社会も考えられない。自動車用、飛行機用、自転車用のタイヤが代表的な応用品だ。シーリング材や絶縁体、医療器具の生産、その他さまざまな分野で不可欠な素材となっている。合成ゴムは、固体ロケット推薬の生産にも利用されている。化学者のセルゲイ・レベジェフが発案した方法で合成化されたポリブタジエン樹脂が、初めて産業的な価値を持つ合成ゴムとなった。最初の合成ゴムの試作品は1910年に発明された。1913年に出版されたレベジェフの著書「バイエチレン系炭化水素重合分野の研究」は、後にゴムの産業用合成の科学的な基礎資料となった。

=Getty Images/Fotobank撮影

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10. 穀物収穫機

発明家のアンドレイ・ヴラセンコは、トヴェリ県で農地を運営していた。1868年、世界初のコンバイン型穀物収穫機を発明した。木製の機械で、馬3頭が動かすタイプのものだ。これにより、19世紀の平均的な農家の手作業に比べ、生産能力は20倍も高まった。ヴラセンコが制作した他の2台の収穫機は、それぞれ2頭ずつの馬が動かし、1人が操作するものだった。

=Getty Images/Fotobank撮影

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