イリーナ・ハカマダさん

=タス通信撮影

=タス通信撮影


「ロシアに交渉の文化がないから」


日系ロシア人で企業問題担当相や国家会議(下院)副議長を務めたこともあるイリーナ・ハカマダさん(56)がロシア各地でビジネス心理学講座を開き、ビジネス交渉術を伝授している。

「ビジネスの80%はコミュニケーションで決まりますが、多くのロシア人はそこでつまずいています。コミュニケーションが苦手だからです」。

ハカマダさんは、ロシアには交渉の文化そのものがないのだと言う。「交渉の7割ほどがもの別れに終わってしまうのは、取引内容が双方に有利でないからというわけではなく、お互いを理解できないせいなのです」。

ハカマダさんはロシアで最も有名な女性の一人で、企業家、政治家としての能力が高く評価されている。1995年には、米タイム誌の世界の著名女性100人の中から「21世紀の政治家」に選ばれた。現在は政界から退き、本来の経済人としての活動を行っている。

イリーナ・ハカマダさん

生年月日 :1955 年 4 月 13日 ( 56 )

モスクワ生まれ

父は、元日本共産党幹部の袴田里見の弟で、1939年にソ連に政治亡命した袴田陸奥男。 青山学院大学教授、袴田茂樹は異母兄。 経済学博士(モスクワ大学)。元下院議員(3期)。元中小企業支援・発展国家委員会議長。元「右派勢力同盟」共同議長。元下院副議長。2004年には大統領選挙に立候補。


女性の能力全開へ
ハカマダさんの公式サイト(http://www.hakamada.ru/)を覗いてみると、最近の講座のテーマは「交渉における合気道」、「リーダーシップ」、「人生のタオ(道)」など。東洋哲学、西欧的ビジネス・アプローチ、ロシア文化の3つの融合がうたい文句になっているようだ。
ハカマダさんによれば、女性は男性より交渉に長けているという。「男性ほど野心的ではないので、歩み寄ることができます。そして、相手の性格と心理を読み取り、相手に調子を合わせて必要な成果を引き出すことができるのです」。
こうした活動の他に、テレビ、ラジオの司会者としても活躍。ファッションモデルのレーナ・マカショワさんと共同でブランド「ハカマ」のコレクションの創作も手がけている。 

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる