議席を争う政党

国営テレビ局「ロシア」が選挙に関するテレビ討論会を催したタス通信撮影

国営テレビ局「ロシア」が選挙に関するテレビ討論会を催したタス通信撮影

国家会議(ロシア連邦議会下院)選挙まであと9日。法務省は候補擁立の権利を有する7つの政党を登録した。

『統一ロシア』

『統一ロシア』

2001年12月1日結成

2007年下院選挙の結果:得票率64,30%、議席数315(定数450)

 

同党は、地方議会および地方自治体の選挙機関においても優勢を占める。反対者らは、国内における全体主義体制の復活をめざして選挙戦に行政を利用しているとして、同党を非難している。

『統一ロシア』=コメルサント紙撮影

『統一ロシア』=コメルサント紙撮影


掲げる政策 

経済:全部門のモダニゼーション(現代化)、技術刷新、投資環境の整備

司法:独立と透明性の原則にもとづく司法制度改革、刑法の経済条項のヒューマニゼーション(人道化)および暴力犯罪の厳罰化

外交:ユーラシア連合の創設(旧ソ連邦構成国家の統合)。

 

党首:ドミトリー・メドベージェフ・ロシア大統領。

ロシア連邦共産党

ロシア連邦共産党

1993年2月結成

2007年下院選挙の結果:得票率11,57%、議席数57(定数450)

 

同党は、三年間の国内での活動禁止の後に創設され、ロシアにおける主要な野党勢力となった。

『ロシア連邦共産党』=コメルサント紙撮影

ロシア連邦共産党=コメルサント紙撮影


掲げる政策 

経済:基幹産業部門の国有化、計画経済の復活、農地の無償譲渡

外交:国連の役割強化、NATO(北大西洋条約機構)の影響力の制限および同ブロックの解体、旧ソ連邦構成国家の早期統合

 

党首:ゲンナジー・ジュガーノフ。1983年よりソ連共産党中央委員会で活動。ペレストロイカ(建て直し)反対派の急先鋒に立った。1994年より国家会議の共産党会派を率いている。ロシア大統領選挙に三度出馬し、いずれも次点に終わる。

ロシア自由民主党

ロシア自由民主党

1990年3月結成

2007年下院選挙の結果:得票率8,4%、議席数40(定数450)

 

共産主義的イデオロギーは否定するものの、市民の個人的自由および利益は国家および社会全体の利益に従属すべきであるとみなす。同党員の言辞には、ナショナリズムのモチーフが随所にみられる。

『ロシア自由民主党』=コメルサント紙撮影

『ロシア自由民主党』のウラジーミル・ジリノフスキー党首=コメルサント紙撮影

掲げる政策: 

綱領は世界秩序全体、とりわけロシアの政治制度の厳しい批判に立脚している。世界は「ゴールド」(先進国)、「リソース」(BRICS、アジア、南米)、「リザーブ」の「三つの十億」に分かれているとし、アフリカ諸国には「今日世界秩序の概念における場所はない」と綱領に記されている。西側とのパートナー関係や国際舞台での弱腰を、当局の主な過ちと指摘する。

 

党首:ウラジーミル・ジリノフスキー。1991年8月、ゴルバチョフ・ソ連大統領解任を公然と支持した。奇抜なポピュリズム的発言で知られる。

『公正ロシア』

『公正ロシア』

2006年10月結成

2007年下院選挙の結果:得票率7,74%、議席数38(定数450)

 

2010年初め、同党は『統一ロシア』と政治協定を結んだが、協力は実現せず、2011年夏、野党へ移ることを宣言した。

『公正ロシア』=コメルサント紙撮影

『公正ロシア』=コメルサント紙撮影


掲げる政策

経済:国家の役割強化のもとでのモダニゼーションの支援、民営化およびオフショアへの資産流出の停止

内政:地方自治の強化、知事の直接選挙の導入(現在は大統領による任命制)

 

党首:セルゲイ・ミローノフ。2010年2月より再三『統一ロシア』を批判し、2011年5月、連邦会議(議会上院)議長を解任される。

『ヤブロコ』

『ヤブロコ』

1993年結成

2007年下院選挙の結果:2003年より国家会議の議席なし

 

人権擁護運動の諸分派で構成され、各種社会団体との協力を密にする。

『ヤブルコ』=ロシア通信撮影

『ヤブルコ』=ロシア通信撮影


掲げる政策 

主要課題は役人や大企業の専横の阻止。実業家とその親族が国家公務員職に就くことの禁止。スターリンおよびボルシェビキの弾圧の正当化に対する責任の追及。政治制度の民主化。

 

党首:セルゲイ・ミトロヒン。ペレストロイカ時代には非公式の青年運動に参加。2002年、外国からロシアへの核廃棄物の持ち込みに反対する運動を主導し、この後、プーチン大統領によって、同プロセスを監理する国家委員会のメンバーに加えられた。

『ロシアの愛国者』

『ロシアの愛国者』

2005年にいくつかの中道左派および愛国主義的政治組織の合同により結成された。

前回の選挙では得票率が1%を下回り、国家会議の議席は得られなかった。

「愛国主義にもとづいた国内の全野党勢力の結集」を呼びかけている。

『ロシアの愛国者』=コメルサント紙撮影

『ロシアの愛国者』=コメルサント紙撮影


掲げる政策 

経済:「不法に民営化された」大規模財産の国有化

政治:「民主主義と法治国家の原則」および地方の権限拡大への回帰

社会:西欧で享受されている保証をロシア国民に保障すること

ロシアのWTO(世界貿易機関)への拙速な加盟には反対している

 

党首:ゲンナジー・セミギン。2004年、その支援により国家会議議員に当選したロシア連邦共産党を離れ、独立組織ならびに有力政治家からなるシャドーキャビネットの形成に着手した。政界入りする前はやり手の実業家。

『正義党』

『正義党』


2008年結成

2011年の選挙戦開始前、大富豪ミハイル・プロホロフが『正義党』の新党首となり、多くの生え抜き党員の反発を招いた。内輪もめの結果、同時に二つの大会が開かれ、一方はミハイル・プロホロフ党首を解任し、もう一方の大会では党首自ら脱党を表明した。

『正義党』=コメルサント紙撮影

『正義党』=コメルサント紙撮影


掲げる政策 

経済:経済改革による快適な生活環境の創出

政治:権力に対する社会の監理の復活、国務と実業の分離、ロシアのEU(欧州連合)への加盟を望む

 

党首:アンドレイ・ドゥナエフ。1997年から2001年までFSB(ロシア連邦保安庁)に勤務。モスクワの住宅爆破テロやリベラル派の政治家ガリーナ・スタロボイトワ氏殺害の調査に加わる。石油メジャー『ルクオイル』の子会社の一つに勤務していた。

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